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いきものがかり『ハジマリノウタ』レビュー!日本らしさと明日に満ちた名アルバム

カテゴリ:  ポップス   楽曲レビュー  

日本で活動していた(現在は「放牧」という名の活動休止中)3人組ポップスバンド「いきものがかり」がメジャー4作目のオリジナルアルバムとしてリリースした『ハジマリノウタ』。
いきものがかりというバンドは、フォークソングやニューミュージック・歌謡曲といった日本のポップスをルーツにした音楽スタイルが特徴ですが、このアルバムはそんな「日本らしさ」が際立っているのが特徴です。

ハジマリノウタ~遠い空澄んで~

最初にいきなりアルバム名を冠した『ハジマリノウタ~遠い空澄んで~』が収録されています。
ミドルテンポでピアノが強調されているしっとりとした曲です。
どこにも嫌味がない柔らかい曲調や世界観が秀逸で、ほのぼのとした気持ちになれます。
まさしく現代版童謡とも言えるような雰囲気が魅力です。

夢見台

2曲目に収録されている曲です。
これぞポップというように、希望に満ちた明るさと朝の透明な空気の感じが融合されたさわやかな楽曲です。
雰囲気が個人的にとても好きな曲で、さらっと聴けるので飽きが来ません。

じょいふる

15thシングルの両A面曲として収録されている楽曲です。
早めのテンポでまさしくノリノリなサウンドは聴いていて爽快です。
とはいえ、王道ポップスではない独特のコード進行やノリ、言葉遊びとも取れる遊び心満点の歌詞などまさに「じょいふる」独自の濃厚な世界観を構築しており、そのセンスには脱帽です。

YELL

『じょいふる』と同じく15thシングルの両A面曲として収録されている楽曲です。
ピアノとストリングスが絡み合う壮大なスケールのバラードです。
2009年度NHK全国学校音楽コンクール中学校の部課題曲になったという事実がそのまま示す通り、まさしく合唱曲という雰囲気を持っており、これぞ日本ポップスとも言えます。

なくもんか

16thシングルでもあるミドルテンポのバラードです。
泣きたくなるような切ない感じと凛としていて前向きな気持ちが共存している感じはまさしく「なくもんか」。
この曲の持つ、アコギとエレキ、ストリングスなどの伴奏の音圧が個人的にとても好みです。

真昼の月

荘厳なピアノで始まる憂いのムードが濃いミドルテンポの楽曲です。
「日本」や「和」の世界観が軸にあり、澄んだ幻想的な空気と切なげなメロディとのハーモニーがとても良いです。
ボーカルの吉岡聖恵さんの声ととてもマッチしているのも聴きどころです。

ホタルノヒカリ

14thシングルとしても発売されている楽曲です。
いきものがかりにしては珍しくサビが4つ打ちになっており裏ノリしたくなる楽曲です。
夏やホタルといったものの儚さを、流れるようなテンポで疾走感を持って歌い上げている様子は、まるで夏が過ぎてしまう早さも表現しているようにも思えてしまいます。
あからさまな「和」ではないけど、明らかに「日本」であるこのメロディセンスや歌詞は魅力的です。

秋桜

インディーズアルバム『誠に僭越ながらファーストアルバムを拵えました…』にも収録されているようです。
『秋桜』も「日本」や「和」の世界観の楽曲ですが、『真昼の月』よりもテンポが早く、少しダークな雰囲気となっております。
歌詞や音使いがより雅というか妖艶な感じがとても好印象ですね。
真昼の月と同じくこの世界観と吉岡聖恵さんの声が絶妙に絡み合い、とても上品な色っぽさが際立っています。

ふたり -Album version-

13thシングルとしても収録されていますが、『ハジマリノウタ』バージョンではイントロが追加されています。
ゆっくりめなテンポで、切なさに溢れるバラードです。
この曲は歌詞がとても生々しい切なさが描かれています。
サビの部分の「重ねたこころに耳を 寄せて きみの声 探すよ」」と「言葉にならないその痛みは ぼくが今 受け止めるよ」というフレーズは何だか、分からないけど分かる感じがとても心に響きます。

てのひらの音

ふたりから一転して、とにかく明るくポップな曲です。
ボーカルの吉岡聖恵さんだけでなく、ギターの山下穂尊さん・水野良樹さんも歌に参加しており、みんなで楽しくわちゃわちゃしている雰囲気が気持ちを楽しくさせてくれます。
下手に洗練させていない楽曲は、まさしくいきものがかりらしさ全開とも言えます。

How to make it

いきものがかりにしては珍しい英語が多く使われている楽曲です。
そしてそれが示す通りに、邦楽ポップスが持つ洗練されたスタイルが特徴的です。
Aメロ、Bメロは日本語ですが、跳ねるようなリズム感が心地よく、サビの英語が違和感なく入ってきます。

普段とは違う、まさしくアルバム専用機な曲とも言えますが、こういう遊び心はとても面白いです。
楽曲としても個人的には大好きで、自分がいきものがかりのコピーバンドをやった時にも演奏したことがあります。

未来惑星

しっとりとしたポップスであるミドルバラードです。
曲の世界観や音色が2曲目の『夢見台』とリンクしているように思えます。
夢見台で未来に向かって走り出して、時にそれにつまづいて傷ついた時というのが、この『未来惑星』なのかもしれません。

明日へと向かう帰り道

アルバムの最後には、いきものがかりらしく壮大なバラードである『明日へと向かう帰り道』です。
アンニュイながらも優しく心に沁み込んでくる楽曲は、歌詞の中にもある夕焼け時にお家へ向かって帰る空間そのもの。

『ハジマリノウタ』というアルバムは世界観や音色などは、まさしく日本的なルーツに溢れています。
しかし、アルバムを通してのテーマというのは、アルバム名が示す通り「はじまり」。
つまりは「明日」や「未来」というまだ見ぬ瞬間への希望であると感じています。

未来に向けて頑張っって、時にはうまくいって傷ついて。
そんな時は温かい家に帰って、ゆっくり休んで、また前へと歩いていこうといういきものがかりからのメッセージであったりするのかなと個人的に感じました。

隙がなく見事に作りこまれたアルバム

『ハジマリノウタ』は、全体的な完成度が高いと思っています。
アルバムに共通するテーマや雰囲気がありながらも、ノリノリのポップや和風っぽく大人な曲、バラードと曲のバラエティにも富んでいて、各曲の個性を個性を惹きたてている構成です。

有名曲も多数収録されていますが、アルバム曲も個性派ぞろいでいきものがかりらしさに溢れていて、とても楽しめると思います。
いきものがかりを好きな方はもちろん、これから聴きたいという方にも一押しなアルバムです。

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